2017 SUMMER
FINDING MY ROOTS

3月になればニューヨークの厳しい寒さの中にも、たしかに「もう春はそこまで来ている」と感じることができる瞬間がある。この瞬間を感じると、もうどんなに寒くてもコートなんて着ていられないし、クローゼットの整理を始めている自分がいる。それにトライベッカのロフトに引っ越してから片付けが全部済んでいたわけではないので、ちょうど良い機会だった。まずは新しいシーズンが始まる前に、クローゼットを整理してから新作を手に入れるのがジャスミン流の「失敗しない買い物術」だった。洋服が好きだと、どうしても似たようなものをついつい買ってしまい、スタイリングの幅が広がらない。そんな失敗を繰り返し編み出したシンプルな買い物術は、「まずは整理整頓」というわけだ。

ここ最近は毎日デニムを穿いている。デニムといえども、シルエットや色落ちの具合でスタイリングも全く変わってくる。そんな大好きなデニムは毎シーズン数本ずつ吟味して手に入れている、この前手に入れたハイウエストデニムはもう色違いでそろえるほど気に入っていた。このフォルムをそのままチノパンに落としこだハイウエストチノパンツがあるらしく、次はこれだなと狙っている。

クローゼットの奥から、少し大きめのウェストサイズのデニムが出てきた、「これはこれで気分じゃない!?」とおもむろに穿いてみると、なんだかいい感じ。腰履きのデニムなんて久しぶりだけど、こういう発見があるから、クローゼットの整理は好きなんだよなと独りごちてみる。

暖かくなってきたら、スカートとワンピースも着たいなと思いつく。スカートは柄物が欲しい!ヴィンテージのようなジャガードがイメージなんて欲しいものリストにメモ。ワンピースは古着のTシャツを友達にリメイクしてもらうと企んでいる。最近は欲しい洋服も少なくて、ちょっと手間のかかったようなアイテムに惹かれる自分がいる。

一度始めると、エンジンがかかってしまうのか、いつの間にか徹底的に片付けが始まってしまった。いつも忙しいジャスミンとピーターの土曜日はとっくに日が暮れていた。ワインでも開けて、もう休もうといった具合にピーターがいうこっちを見ている。ヘトヘトに疲れてしまったので、チャイニーズのデリバリーでも頼むことになった。

片付けを始めたら、ニットを仕舞うチェストが必要なことに気がついてしまった。明日の予定は決まった、「ヴィンテージ家具のお店を巡ろう!」と中華を頬張りながら、ありふれた二人の夜は更けていった。