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読んでいたニューヨークタイムズから目を話すと、ブラックのジャケットを着たダイアナが入って来るのが見えた。「やあ、ダイアナ。よく来てくれたね!」ベンはいつもの飾らない笑顔で握手を求めた。

ベンはダイアナがニューヨークへ面接に来てくれた時点で採用することを決めていた。たわいも無い会話をした後、採用する事を伝え、ベンは早速アパートメントを見に行こうと二人は店を後にした。

ダイアナが住む場所を決めなきゃと、ベンは数件のアパートメントを内見する段取りを取っていた。ベンは自分の車にダイアナを乗せて、ブルックリンへ向かった。

最初に内見したウィリアムズバーグの1ベッドのアパートメントをひと目で気に入ったダイアナは、ここに住むことを決めた。もともとブルックリンに住めたらいいなと考えていた。家賃は少し高いが、環境の良いところで過ごすこともクリエイティブには良い影響がある。なんと1日で仕事も家も決まってしまった。 ベンが運転する車でブルックリンブリッジを渡りホテルまで送ってもらう。部屋に戻るとベッドに腰掛けると、こんなにトントン拍子で話が進んだことが、夢か現実かまどろんでいるうちに眠り込んでしまった。

次の日は、ベンのオフィスへ向かい、これから始まるプロジェクトの説明や進行中の案件などを説明してくれた。どれも、クライアントの想いを丁寧にカタチにするベンの情熱を垣間見ることができて、この出会いに心から感謝していた。ランチにチャイナタウンのジョーズシャンハイで小籠包を食べた後、マンハッタンを歩こうと最近きになるお店を見て回ることに。「明日はたくさん歩くからスニーカーで来て!」とベンが言う通り、ニューバランスのグレーの993を履いてきていた。合わせたジーンズはフロントにスリットの入ったスリットジーンズ。ストレッチがきいたブラックデニムで、程よいフレアとスリットが、スニーカーと相性が抜群だった。途中トライベッカで入ったお店で、探していた2タック入りのパンツを見つけ試着してみると理想のフィットで思わずブラックとスチールブルーの2色買いをしてしまった。名前はTOMBOY PANTS(トムボーイパンツ)って言うらしい。

その後も、歩く歩く。ニューヨークは歩くのが本当に楽しい街だなとダイアナは楽しくてしょうがなかった。ベンもニューヨークを楽しむダイアナを見てほっとしたし、2日間一緒にいて彼女のセンスや人柄に触れて最高のアシスタントになる事を確信していた。夜はベンの妻であるジェニファーも呼んで3人で食事することにした。

ニューヨークといえばステーキということで老舗のキーンズを予約した。極上のステーキを3人で少しずつシェアして赤ワインを飲むことに。ジェニファーもすっかりダイアナと打ち解け、妹のようにダイアナを可愛がってくれそうだ。ダイアナが泊まるホテルに戻り、ルーフトップのバーでもう少しだけ3人で飲むことにした。夜風が心地よくニューヨークの夜は更けていく。

明日にはロンドンへ戻り、4週間後にはニューヨークでのダイアナの新しい生活がはじまる。