menu
ベンが独立してからしばらくたち、季節は秋に向かおうとしていた。ジョナサンのハンプトンの別荘の仕事の後も、オファーは順調に増えていった。クオリティの高い仕事をするためにベンはアシスタントを募集することにした。人づてにこの募集を聞いた、ダイアナというロンドン出身の女性から面接の応募があった。

ロンドンの設計事務所で経験を積んでいるがニューヨークにベースを移したいと考え、転職先を探しているとのことだった。そんな彼女に興味をもったベンはダイアナと会うことにした。

そうです!、お気付きの方もいらっしゃると思いますが2020年秋からはこのダイアナが主人公になります。ダイアナはどんな女性なのでしょうか。彼女を中心としたストーリーがはじまります!。

ベンから連絡をもらったダイアナは、早速ニューヨークに赴くことにした。彼女はロンドンのカレッジで建築を学んだ後、教授の勧めで入った大手の設計事務所に勤めて10年になる。仕事はそれなりに充実していたが、ニューヨークで働きたいという、忘れかけていた夢について考えるようなったのは最近だった。

真剣に夢に向き合うために退路をたち、お世話になった設計事務所にはすでに退職の旨を伝えていた。そんなところにダイアナの人柄が伺える。強く思えば自ずと道は開けるもの。ニューヨークに住む友人から、優秀なベンがアシスタントを募集していることを教えてもらいコンタクトすることにした。話はとんとん拍子で進み、ベンとフェイスタイムで話したのち実際に会いたいと連絡があった。

面接のために新調したブラックのダブルのジャケットに気に入って穿いているジェネラルジーンズコモンスエットの新色を買い足して、ニューヨークへ向かう準備は万全。ヒースローからJFKまでは8時間弱のフライトだった。機内ではシワになりにくくて重宝するポリエステルのセンタープレスパンツを愛用していた。綺麗めにもカジュアルにも穿けてオフホワイトとブラックの2色をヘビロテしていた。機内は寒いからケープリンカーディガンが便利だった。

期待と緊張が入り混じる旅立ちだが、あっという間にニューヨークに到着してしまった。JFKにつくと案の定イミグレーションの長蛇の列。これだけはいつも閉口する。やっとイミグレを抜けて、リモワのトランクをピックアップしタクシーに乗り、ホテルへと向かう。今回のホテルは泊まってみたかったPublicを予約していた。あのイアンシュレーガーが本当に必要なサービスを考えて形にした新しいホテルだった。洗練されたデザインと、新しいサービスの形がとても心地よく一気に気に入ってしまった。ロビーに上がるエスカレーターからもうドキドキ。ロビーも最高にクールだし、部屋の中もシンプルだけどあたたかみがあって良い設えだった。自分もこんな仕事に携わるためにニューヨークに住むんだとますます期待が膨らんで行く。

ベンとの約束は翌日の午後だったから、今日はひとまず1階のレストランで軽く食事を済ませて休むことにする。翌朝は小雨が降っていた。朝食を食べようと、歩いてカフェスマイルに。ここではリコッタチーズとイチジクのジャムのサンドイッチが美味しくてお気に入りだった。軽く食事を済ませ、あたりを散歩してホテルへと戻る。シャワーを浴びて、ジェネラルジーンズと、ブラックのダブルジャケットを羽織る。仕上げにバイレードのジプシーウォーターをつける。この香りをお守り代わりにいつも身につけていた。

ウーバーを呼びベンとの待ち合わせ場所に向かう。待ち合わせの時間より20分も早くついてしまった。驚くことにもうベンは到着していた。

さぁ、ダイアナにとって新しい冒険が始まる。