menu
2021 SPRING
This season's story
ダイアナは輝いていた。

ロンドンからニューヨークへと旅たつ彼女を見送るライリー。彼はダイアナが務めていた大手設計事務所の同期として、ダイアナが務めた10年間をともに過ごした戦友のような存在だった。ダイアナ32歳で、ライリーは大学を2年休学して世界中を旅していたので年は2つ上の34歳だ。ライリーは兄と自分の男兄弟で育ったこともあり、同期だけど年下のダイアナを妹のように感じる部分があった。

数ヶ月前にダイアナから話があると、パブに呼び出されて何の話かとドキドキしてしまう自分に戸惑いながらも耳を傾けると、「ニューヨークで働きたいと考えている」という。ものすごく驚いた。ダイアナはこの10年、順調にキャリアを積んでいて転職など興味がなさそうだったからだ。いや、そうではない。この驚きは、この心のざわつきはそうではない。彼女がロンドンを離れることが、今の事務所を止めることが、自分の側から居なくなることが嫌なのだ。自分はダイアナのことが好きになっていたのか。突然のダイアナのニューヨーク移住計画を聞いて、ライリーは自分の気持ちにハッキリ気がつくことができた。

お互いに仕事にのめり込み、大きな仕事をともに成し遂げ、出張に行くこともあった、休みの日にも食事をしたり本当に多くの時間を共に過ごした。

そんなダイアナが自分から離れていく。

その日ライリーは眠れなかった。夢に向けてひたむきに歩んできたダイアナを引き止めることは出来なかった。一晩寝ずに考えたことはただ一つ。やっぱりダイアナのニューヨーク行きを何とか阻止するべし!ということだった。男としてかっこよく、夢に向かうダイアナを送り出すべきだろう。だがしかし、現実に好きになってしまったのだ。今までとは状況が違うんだ。だいたい、10年も一緒に働いてきて少しは俺のこと好きにならなかったのか、だいたい何なんニューヨークって、ロンドンでいいじゃん。と感情がエスカレートしてきた。明日から、何とかニューヨーク行き食い止めようと心に誓った。

そんなライリーの気持ちに気がつかないまま、ダイアナは夢につき進んだ。まず会社に事情を説明し退職の旨を伝えるという潔いダイアナの姿を横で見ていたライリーは「やっぱりアイツ、まじだ!」と内心目玉が飛び出るのを抑えるのに必死。
念ずれば道開けるとは言ったもので、ニューヨークの新進気鋭のベンのオフィスがアシスタントを募集しているという話が舞い込む。こうなると話はトントン拍子で進む。ダイアナはニューヨーク生活に向けてワードローブの整理をはじめた。

必要最低限のまずワードローブに欠かせないのは白いTシャツとデニム。デニムはジェネラルジーンズのブルーと新色のブラックを。白いTシャツは2パックのものを3つ購入した。カラフルなコモンスエットも気分を上げてくれそうで、イエローとラベンダーをセットアップで購入。新しい生活に向けて淀みなく準備を進めるダイアナ。

さあ、ライリーはどうやってダイアナのニューヨーク行きを阻止するのか!

つづく。